【ロンドンのLGBTカルチャー】当事者がロンドンに実際に住んでみた【イギリスのゲイライフ、クラブ、バー他】

ライター: JobRainbow編集部
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海外旅行が好きな方や、海外に住んでみたいと思っている方は多いのではないでしょうか。そんな中で、LGBTに関心がある方や当事者の方は、海外のLGBTカルチャーも知りたいトピックの1つだと思います。

今回は数ある海外の人気エリアの中からイギリス・ロンドンについてお話します。実は筆者も1年間ロンドンに留学に行き、現地で生活をしながら大学でジェンダーについて学んできました。

今回のコラムでは、自身がゲイなのでLGBTの中でもG(ゲイ)の視点を中心にお話していきます。LGBTカルチャーと言ってもLGBTではない人の生活と同じ様にまさに十人十色です。今回は筆者が1年間の中で「定番」だと感じたロンドンのLGBTライフを、現地で知り合った人々からの情報をもとに最新情報を交えてご紹介します。

イギリスのLGBT事情

ロンドンはイギリスの首都ですが、イギリス全体での、LGBT事情はどうなっているのでしょうか。

2004年にシビル・パートナーシップ法(結婚と同党の法的権利を同性カップルに与えるもの)が成立し、2014年にはイングランド、ウェールズ、スコットランドで同性カップルの結婚が法律で認められるようになりました。

また、包括的な差別禁止法など法律の整備もかなり進んでいます。2018年にはLGBT Action Planの一環で16歳以上のLGBTまたはインターセックスと自認する人々にオンラインで調査を行い、計108,100人(有効回答者)の声を基に、これからのLGBTの人々への対策を始めました。イギリスはキリスト教の影響が強い国であることを考えると、LGBTの権利はまさにイギリスの人々の努力の賜物です。

ロンドンはこんな街

ロンドンはイギリスの中でも特に多様性に寛容なエリアとして知られています。移民や観光客も多く、経済と文化の中心地であるロンドンには様々な人々が集まり、セクシュアリティに関する考えもとても進んでいます。

Sohoと呼ばれる、ゲイタウンはロンドンの中心部を構成しています。日本のメディアやウェブサイトでは「男性は注意!」「間違って入り込まないように」というような心無い言葉を見かけることもありますが、多くのロンドナーがセクシュアリティに関係なく集まる楽しい地区です。

2016年夏には、プライドパレードに合わせてロンドン中心部の信号機の人のマークが同性のカップルやトランスジェンダーの人々を表すものに変えられました。市民の声に応えるために、ロンドンの中心とも言えるトラファルガースクエア周辺の信号機は今日もLGBTプライド仕様になっています。

実はこのプライドパレードもヨーロッパ最大で、子供連れのファミリーも参加するなど本当に大きなイベントです。

ソーホー(Soho)というゲイエリアと呼ばれる場所はあるものの、LGBT向けのスペースは一箇所に集まっているというよりはロンドン市内のいたるところにあります。例えば、ロンドンで約40年LGBT向けの本を扱い、ロンドンのLGBTコミュニティの情報交換の場所として使われたGay’s the Word(ゲイズ・ザ・ワード)は大英博物館近くのBloomsbury(ブルームズベリー)にあります。

また、ゲイバーなどもゲイの人だけではなく誰でも ”このバーが好きだから” というような理由で利用する人も多く、LGBT当事者とそうでない人の溝がないのも素敵なところだと思います。

ナイトライフ

イギリスといえばパブを思い浮かべる方も多いと思いますが、その通りロンドナーはよく飲みにいきます。

夕方5時には仕事帰りのロンドナーでパブはいっぱい、ドアの外で飲む人もたくさん。そんな街ではもちろんLGBTのナイトライフも充実しています。

G-A-Y BAR

ロンドンのゲイエリア、Soho(ソーホー)に位置する知らない人はいないバー、G-A-Y。ロンドン以外にも店舗があり、すぐ近くにG-A-Y Lateというクラブも経営しています。席はほとんどなく、ガンガンに音楽がかかっているのでドリンクを片手にみんな踊っています。音楽はブリトニー・スピアーズ、レディー・ガガのようにゲイカルチャーのアイコンから最新のポップまで幅広く流しています。

G-A-Yという名前ですが、ゲイまたはLGBTのセーフスペースというだけで誰でも入れるので会社や学校帰りに同僚やクラスメートとグループでくる人々も多いです。ドリンクが物価の高いロンドンの中では破格の安さなので若い人がとても多い印象ですが、本当に誰でも受け入れてくれるような雰囲気で、オススメです。

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D鬼佬好老實。門口寫住GAY真係基吧

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HEAVEN

トラファルガースクエアに近いチャリングクロス駅のアーケードに小さな入り口があり、中に入ると地下に大きなクラブが広がっています。

Heavenはナイトクラブとしてだけではなくライブ会場としても使われていますが、月曜日、木曜日、金曜日と土曜日はG-A-Yが開催するパーティーで賑わいます。ロンドン最大級のクラブで音楽のジャンルに分けて部屋も複数あるため、ゲイクラブではありますが、他のLGBTコミュニティーやそうでない人も集まるクラブです。

アメリカからのドラァグクイーンのショーや観客がステージに登りストリップ対決をするイベントなど様々なパーティーが開催されるので飽きません。G-A-Yが開催しているということもあり、ドリンクもロンドンの他のクラブよりも安めです。仕事帰りのスーツの人から、グリッターを全身に塗りつけた人までいるので、ぜひ気が向いたら行ってみてはいかがでしょうか。

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Cherry lips ? ?

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Dollar Baby

筆者が個人的に一番好きなパーティーです。会場は平日はストリップクラブ(主にヘテロセクシュアルの男性向け)ですが、金曜日と土曜日はLGBT向けのクラブへと変身します。特に金曜日のDollar Babyはまさにクィアカルチャーと言える雰囲気でLGBTのロンドナーで賑わっています。ストリップクラブということで真ん中にはポールがあり、それを使って派手に踊りまくるのがDollar Baby流。

ドラァグクイーンやクラブキッズたちで賑わい、人々のファッションのレベルが高いパーティでフォトグラファーが常に人々の写真を撮ってるので、ちょっといつもより派手めに行くのがおすすめ。Dollar BabyのDJのJodie Harshさんやパフォーマーのドラァグクイーンの方は新宿二丁目のパーティFancyHimでもゲストとして参加したことがあるので、親近感がわきますね。

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#DollarBaby #Fridays ??

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#DollarBaby #Fridays ?? @charli_xcx @jodieharsh

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She Soho

Sohoの中心に位置するレズビアンバー兼クラブ。スタイリッシュな内装でとても人気です。”女性と彼女たちの男性のゲストの為のバー”というキャッチコピーの通り、男性でも入れますが主役は女性です。

主に女性のDJが音楽を流していて、ドラァグキング(男装パフォーマー)も定期的にイベントをしているので、スケジュールを確認して行ってみてください。Ku Barなど近くに人気のゲイバーも経営しているので合わせて行ってみても楽しいですよ。

ロンドンのパーティーはクラブ(会場)を借りるような形で行われるものも多いので、不定期の大きなパーティーも多いのが特徴です。レズビアン向けパーティー、ゲイ向けの泡パーティー、ブリトニースピアーズしか流さないパーティーなどLGBT向けクラブというだけでなくさらに選択肢が豊富なのも嬉しいですね。

LGBTミュージアムがオープンするって本当?

2021年に世界最大級のLGBTに関するミュージアムがロンドンに作られると発表されました。その名もQueer Britain(クィア・ブリテン)。

今までスポットライトを当てられることの少なかったLGBTの人々の文化や歴史をアートを通じ人々の記憶に残すことが目的のこのミュージアムはロンドン市長のサディーク・カーン氏のサポートも受け、世界最大のLGBT関連のミュージアムになる予定です。体験型や最新のデジタルアートも駆使して、目にも楽しいミュージアムになるということで完成が楽しみです。

ロンドンよりLGBTに人気なシティ?

イギリスといえばロンドンですが、イギリスの人々にLGBTの街はどこか聞くと必ずBrighton(ブライトン)という答えが返ってきます。ブライトンはイギリスの南部、海辺にある都市です。列車でロンドンから1時間ほどでアクセスできることもあり、イギリスを代表するリゾートとして知られています。

イギリスではGay Capital(ゲイの首都)と呼ばれ、LGBTに寛容で、それに関するパーティー、バーやショップがとても充実しています。2014年の調査では16歳以上の人口の11%-15%がレズビアン、バイセクシュアル、ゲイのいずれかと自認しているそうです。その雰囲気を楽しみにロンドンをはじめとしたイギリス全土からLGBTの人々が集まるので、観光客の人もすぐに溶け込めます。ロンドンからぜひ足を伸ばしてみてください。

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おわりに

LGBTの権利や文化という面で一歩先を行くロンドン、訪れてみたくなりましたか?

もちろん、まだ完璧とは言えませんし、今日もどこかで改善を求め努力を続ける人がいることは忘れないようにしたいですね。しかし、このようにLGBTカルチャーが人気を集めることで少しずつアライが増えているのも事実です。

ロンドンのLGBTライフの1番素敵なところは選択肢があることだと思います。是非ロンドンであなた流の楽しみ方を探してみてください。

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